資金調達の代表的な方法とファクタリングとの比較

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ビジネスシーンではファクタリングを含めさまざまな資金調達方法が利用されています。それぞれの資金調達方法にはどのよう特徴があるのでしょうか? こちらでは、代表的な資金調達方法の特徴と、ファクタリングとの相違点についてお話しします。

資金調達の代表例

ビジネスシーンで利用されるファクタリング以外の代表的な資金調達方法をご紹介します。

銀行融資

ビジネスにおける資金調達方法として広く利用されているのが銀行融資です。金利は一般的に1~3%。調達コストの低さが、普及理由のひとつといえます。

銀行融資には銀行自身が直接融資を行うプロパー融資と、信用保証協会を利用する保証付融資の2種があります。プロパー融資の場合、貸倒れのリスクを銀行が負うことになるため、審査が厳しいことが特徴です。保証付融資では、返済不能の状態になった場合、信用保証協会が銀行に返済を行います。プロパー融資と比較すると審査基準が低いと考えられています。

不動産担保ローン

不動産担保ローンは、その名のとおり不動産を担保に金融機関から資金を借りるローンです。一般的には、土地や建物が担保として設定されます。

当然ながら、担保に設定できる不動産がなければ利用できません。また、融資額は原則として不動産の評価額に依存しています。返済できない場合は、担保に設定していた不動産が処分されます。

金利は通常5~10%で設定されるほか、返済期間は25~35年と長期です。不動産の鑑定が行われることから、融資までは時間がかかる傾向があります。

売掛債権担保融資

売掛債権担保融資はABL(Asset Based Lending)とも呼ばれ、売掛債権を担保に設定して融資を受ける方法です。主に、銀行や貸金業者が実施している金融商品です。

売掛債権をやり取りする点はファクタリングと似ていますが、ファクタリングがノンリコースであるのに対し、こちらは貸倒れリスクを債務者が被るリコースです。一般的な融資よりも審査は甘いと考えられていますが、売掛先の信頼性に加え、債権そのものや申し込みした会社の信頼性も審査対象になります。一般的な金利は5~15%です。

ビジネスローン

ビジネスローンとは、法人に向けた無担保ローンの総称です。担保・保証人不要、即日融資など利用しやすい反面、高金利、信用度によっては限度額が低いといったデメリットもあります。どちらかといえば、少額の融資を無金利期間で返済できる場合に適しているローンといえるでしょう。

与信枠を自動的に判断するスコアリングシステムの審査の不安定さが明らかになったことにより、各銀行ビジネスローンから撤退傾向にあります。そのため、ビジネスローンの利用を希望する場合、ノンバンクが主な選択肢になるでしょう。ノンバンクビジネスローンの金利は6~18%です。

ファクタリングと各資金調達の比較

上述した各資金調達方法とファクタリングの比較を、いくつかのポイントに分けてご紹介します。

ファクタリングは融資ではない

ファクタリングは上述した資金調達方法と異なり、融資ではありません。保証人や担保という概念はなく、売掛債権をそのままファクタリング会社へ譲渡・売却する資金調達方法です。ファクタリングを利用した時点で売掛債権はファクタリング利用会社の手元から離れます。そのため、貸倒れリスクをファクタリング利用会社が被る必要はなく、原則としてノンリコースとなります。

審査対象

ファクタリング会社にとってのリスクは「売掛先から売掛金が支払われないこと」です。そのため、ファクタリングの審査では売掛先の企業が重点的に調べられます。ほかの資金調達方法では、利用会社も審査の対象です。赤字や負債がある場合は上述した資金調達方法を利用できないこともありますが、ファクタリングの審査においてその点は重視されません

限度額

ファクタリングの限度額は売掛額に依存しており、基本的には無制限といえます。利用会社の信頼性によって限度額が決まることは原則としてありません。あくまで売掛債権を早期のうちに現金化したいだけであれば、ファクタリングを選ぶのが確実です。

資金調達のスピード

多くの資金調達方法では、手続きを始めてから資金調達できるまでに1週間から1カ月程度の期間が必要です。対して、ファクタリングは資金調達までの時間がスピーディーです。比較的早い2社間ファクタリングであれば、即日~3日程度で資金調達できます。これは、資金調達方法のなかでも融資が早いとされているビジネスローンと同程度のスピードです。

金利・手数料

ファクタリングは融資ではないため、金利ではなく手数料という名目で料金が上乗せされます。手数料の設定は、ファクタリング会社によってさまざまです。3社間ファクタリングは手数料が低い傾向があり、1~5%と銀行融資の金利に相当します。

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企業の状況によって適切な資金調達方法は異なります。資金調達のスピードや確実性、金利などさまざまな要素を鑑みてどの資金調達方法を選ぶか検討しなければなりません。ファクタリングを含め、それぞれの資金調達方法のメリット・デメリットを加味して検討しましょう。