2社間ファクタリングの仕組みやメリットは?必要となる費用・書類

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2社間ファクタリングはスピーディーな売掛債権の回収と、信用力の保持というメリットがあります。その分手数料が高くなるというデメリットはありますが、実際にどの程度の費用がかかるのでしょうか? こちらでは、2社間ファクタリングの仕組みやメリット、必要なコストについてご紹介します。

そもそも2社間ファクタリングとは?

まずは2社間ファクタリングについて解説をしていきます。

ファクタリングに関連する企業には、以下の3社があります。

  • 自社
  • ファクタリング会社
  • 支払い企業(=売掛先=クライアント)

上記のうち、自社とファクタリング会社との間でのみ契約を交わす方式を「2社間ファクタリング」と呼びます。一方、支払い企業も含めた契約の場合は「3社間ファクタリング」になります。

2社間ファクタリングの流れ

2社間ファクタリングでは、自社とファクタリング会社との間でのみ取引が行われます。そのため、流れは比較的シンプルです。

  1. ファクタリング会社に申し込む
  2. ファクタリング会社が支払い企業の信用力を基準に判断を行う
  3. ファクタリング契約を結ぶ
  4. 売掛債権の譲渡登記を行う
  5. ファクタリング会社から手数料を除いた買取金額が支払われる
  6. 支払い企業から売掛金が支払われる
  7. ファクタリング会社に入金された売掛金を速やかに支払う

このように、買取金額と売掛金が2社の間で行き来するのみで取引は完了。支払い企業にとっては、ファクタリングが行われていることも分かりません。

2社間ファクタリングのメリット

3社間ファクタリングでは、前項の流れ2と3の間に「売掛金買取契約の通知、承認」という工程が加わります。つまり、自社とファクタリング会社との間でファクタリング契約が行われていることを支払い企業へ伝え、承認を得る必要があるのです。

※なお、3社間の場合は支払い企業からファクタリング会社に直接売掛金の支払いがなされるため、6と7は不要です

一方、2社間の場合は支払い企業からの承認は不要。先方の検討時間を待つことはありません。条件次第ではあるものの、売掛債権を最短即日で資金化できる可能性もあります。このスピード感こそが、2社間ファクタリングの大きなメリットと言えるでしょう。

また、債権譲渡は資金繰りの悪化を疑われる要因にもなりえます。しかし、2社間ファクタリングであれば支払い企業にその事実を知られることもなく、信用を損なうといった心配もありません。

知っておくべきデメリット

スピードと信用力維持がメリットの2社間ファクタリングですが、一方でデメリットも存在します。

  • 3社間ファクタリングに比べて手数料が高くなる
  • 比較的審査が厳しくなる
  • 大手ファクタリング会社は未提供の傾向にある

このように、手数料や審査、依頼先の面で不安・不満がある場合は、3社間ファクタリングを選ぶのがおすすめです。ただし、2社間と3社間のどちらにより大きなメリットがあるかは、それぞれの企業の状況次第です。判断が難しい場合は、一度ファクタリング会社やコンサル業者に相談を持ちかけてみましょう。

なお、個人事業主の場合はそもそも2社間ファクタリングが認められていません。必然的に、3社間ファクタリングを選ぶことになるのでご注意ください。

【具体例】2社間ファクタリングで必要な手数料・費用・書類

次に、2社間ファクタリングで必要となるコストついて見ていきます。100万円分の売掛債権をファクタリングする場合を例にとり、それぞれの費用を見ていきましょう。なお、以下の例では費用合計が23万円になりました。

ファクタリング会社への手数料

ファクタリング会社は依頼主から支払われる手数料をメインの売上としています。2社間ファクタリング場合、売掛債権の10~30%が相場です。ここでは15%にあたる15万円で計算をしました。

ファクタリング手数料 15万円

登記費用

売掛債権を譲渡する際は、司法書士へ登記代行を依頼するのが一般的です。その際には、以下の成功報酬が費用としてかかります。

l  債権譲渡登記及び抹消時事務代行報酬

l  債権譲渡契約書作成事務代行報酬

合計:約5万円

印紙代、書類取得費用、雑費等

ファクタリングではいくつかの書類を取得するほか、契約書に印紙を貼付する必要があります。これらの実費や税額をあらかじめ見込んでおきましょう。

l  債権譲渡契約書印紙代:200円

l  登録免許税(債権譲渡登記):7500円

l  登録免許税(抹消登記):1000円

l  登記事項証明書交付:500円

l  振込手数料:100円~864円

l  商業、法人登記簿謄本:600円

l  法人代表者登記印鑑証明書:450円

l  納税証明書:200~400円など

l  その他、事務費用や日当、交通費等

合計:約3万円

まとめ

今回の具体例では、支払われる金額が77万円になりました。元の売掛債権に比べればどうしても目減りしてしまいます。しかし、支払い企業に債権譲渡を知られることなく、スピーディーに売掛金を回収できるのは大きな魅力とも言えるでしょう。キャッシュフローの安定・改善を目指す際の手段として、ぜひご検討ください。