ファクタリングを正しく利用するために

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過去に起きたファクタリングのトラブルでは、利用者側が原因のものもあります。こちらでは、ファクタリングを正しく利用するためのポイントをご紹介します。

利用者側の問題でトラブルが起きることも

ファクタリングでのトラブルといえば悪徳なファクタリング会社によって被害にあってしまう例が取り沙汰されています。事実として、日本では新興のサービスであるファクタリングは法整備が追い付いていない部分は否定できず、それを悪用しようとする業者が存在します。

一方で、利用者側の問題によってトラブルが起きることもあります。新しいサービスということは、利用者にとってもマナーやルールが浸透していないということ。手続きにおいて間違いを起こせば、当然ながら悪徳業者のように罪に問われることになります。

ファクタリング自体は、債権を入金に先立って現金化するための方法です。入金があり次第、ファクタリング会社に支払いを行えば問題はありません。トラブルを避けるために、利用者側も「正しく利用する」という意識を持つことが大切です。

トラブルになることも多い二社間ファクタリング

ファクタリング利用会社、ファクタリング会社、そして売掛先の3者によって進められる三社間ファクタリングは、当然ながら売掛先にファクタリングの利用を通知したうえで進められます。そのため、トラブルが少ない傾向があります。

対して、基本的には売掛先には通知せずに、ファクタリング利用会社とファクタリング会社のみで進められるのが二社間ファクタリングです。三社間ファクタリングと比較すると、手続きのシンプルさやスピード感、外部に対して社会的信用を守れる点などに秀でていますが、同時に通知をしないことからトラブルになるケースが少なくありません。

実際に、ファクタリングで大きなトラブルに発展するケースのほとんどが二社間ファクタリングだといわれています。

ファクタリングでやってはいけないこと

ファクタリング、特に二社間ファクタリングにおいてファクタリング利用会社側がやってはいけないことをご紹介します。最悪の場合は訴訟に発展することもありますので、くれぐれもご注意ください。

虚偽のある情報の提出

ファクタリング会社は提示された債権に対して評価を行い、買取可能額や手数料を設定します。この設定の基準となるのが、ファクタリング利用会社の信用度です。審査には、ファクタリング利用会社から提示される申告が参照されます。

しかし、好条件での債権買取を期待するあまり、虚偽の情報を提出してしまうファクタリング利用会社もあるようです。当然ながら発覚すれば、最悪買取自体を拒否されてしまいます。また、審査には外部の信用情報機関を利用するため、虚偽がそのまま通用するケースは稀です。

二重譲渡

ファクタリングにおける二重譲渡とは、すでに売却した債権を別のファクタリング会社に売り渡すこと。1つの債権に対して2回ファクタリングを行うことを意味します。債権が実体のないものだからこそ可能な行為です。

本来は、売却した時点でその債権はファクタリング会社が所有権を有しているため、勝手に他の会社へ譲渡することはできません。「委託物横領罪」に該当する行為です。後々発覚し、悪質だと判断されれば「詐欺罪」が適応されることもあります。

売掛金の横領

二社間ファクタリングは先立って売掛金をファクタリング会社が立て替え、売掛金が入金されれば反対にファクタリング会社へと支払いをしてもらうという信頼関係で成立しています。入金日が来て売掛先からの支払いがあった場合も、そのお金の本来の所有者はファクタリング会社です。この売掛金の使い込みが発覚すると、最悪の場合は「横領罪」で告訴される可能性があります。

債権のねつ造

ファクタリングがノンリコースであることを逆手にとり、本来であれば存在しないはずの債権をねつ造するケースも起きているようです。なかには、取引先と共謀して債権をでっちあげるというケースも確認されています。こちらも、当然ながら発覚すれば「詐欺罪」として罰せられる可能性がある行為です。

資金調達を急いでいるときこそ冷静な判断が必要

ファクタリングを利用しようとしている企業は、少なからず資金繰りに困窮しています。そのため、冷静な判断力が失われがちです。もともと悪意がなかったとしても、上述したような行為に至ってしまうケースは十分に考えられます。

いずれも、発覚すれば大きな問題となり、状況がさらに悪化するため絶対にやってはいけない行為です。ファクタリングは「債権を売却して資金を受け取り、入金があれば売掛金を渡す」という正しいフローで利用しましょう。資金調達を急いでいるときほど、この正しいフローを踏襲するよう強く意識する必要があります。

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ファクタリング自体は安全な手続きですが、残念ながら過去にはトラブルに発展した例もあります。利用者側が強く意識しなければならないのは、虚偽や使い込みをせず正しくファクタリングを利用するということです。基本的には、この点を守っていれば大きな問題が起きることはありません。