売掛債権|資金調達との違い

売掛債権

売掛債権

日本での従来の資金調達方法として、一般的に借入や手形割引が多くありました。
ただし、国際的に見ても手形はやはり減少傾向です。
しかし借入ばかりに頼るのは、当然財務指標も悪化し望ましくありません。
売掛債権の利用促進は国の施策です。
経済産業省中小企業庁も、『借入に過度に依存することなく事業資金を調達したい』という中小企業のニーズ、つまり手形取引が減少する中で、運転資金不足を克服できるよう、中小企業の皆様が売掛債権を早期に現金化できるよう “売掛債権早期現金化支援”を行われており、売掛債権という資産を活かしてキャッシュフローの問題点を解決する事が今後求められています。
売掛債権を使って資金を得るには、売掛債権を流動化する事で可能です。本来売掛債権は流動性が乏しい資産で、決済日に資金化されますが、流動化では企業が保有する売掛債権を、金融機関などへ譲渡他により資金調達に活用します。
売掛債権の流動化には、主に①ファクタリング、②売掛債権担保融資(ABL) ③ 売掛債権証券化の3つの手法があります。
① ファクタリングは、民間のファクタリング会社に迅速に売掛債権を買って貰う(譲渡する)ことで資金を得ます。日本ではまだ少ないのですが、国際的に多く行われています。
② 売掛債権担保融資(ABL)は、あくまでも売掛債権を担保にした融資なので、売掛債権額よりも多く資金が必要な時に便利でしょう。ただし資金は借入によるものなので、負債は増えることになります。
③ 売掛債権証券化は、売掛債権を証券化して特定目的法人(SPV)に譲渡することで資金を得ます。特定目的法人(SPV)はその証券を投資家に売却します。つまり特定目的会社(SPV)は媒介役と言えます。手続きが煩雑であるため、売掛債権の証券化ができる機関は専門性が必要で時間がかかる為、大きな額(最低一億以上)の売掛債権でないと割に合わないことになります。

売掛債権の活用をする際に、ニーズによって選ぶ手法が変わってくるでしょう。
まとめますと、
迅速な資金化とバランスシートのスリム化を求める場合→ファクタリング
売掛債権の額以上に多くの借入が行いたい場合→売掛債権担保融資(ABL)
売掛債権の額が大きく、バランスシートのスリム化を求める場合→売掛債権証券化
となります。手元にある資産の売掛債権を使い新しい資金調達方法を増やして、キャッシュフローの改善を目指しましょう。

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