ファクタリングと法律
ファクタリングと法律
まず、ファクタリングは貸金ではありません。
内閣府も中小企業の資金調達方法の為に推進しています。
「【中小事業者の資金調達】
売掛債権譲渡によるファクタリング 、エスクロー金融 など新しい金融手法の推
進も資金調達がネックとなりやすい中小事業者にとって重要」
参考:内閣府ホームページ 資料:『業種別生産性向上に向けた検討課題』より引用
売掛債権を利用した資金調達方法はいくつかありますが、売掛債権を担保とした融資はABL(売掛債権担保融資)といって貸金にあたりますので、金融庁に登録された貸金業者でないとおこなえません。
ファクタリングは売掛債権の売買による資金調達方法です。
手形割引は手形法のように準拠法がありますが、ファクタリングにそのような専門の法律はありませんが、ファクタリングは売掛債権という金銭債権の売買になりますので、民法第555条「売買」並びに投資事業有限責任組合契約第3条4項の「事業者に対する金銭債権の取得」に規定される取引になります。
他関係する法律としては、
民法第466条:債権の譲渡性
民法第467条:指名債権の譲渡の対抗要件
があります。まとめると、
・債権譲渡は、法律で可能であり、当事者が債権譲渡に反対した場合は、債権譲渡は成立しない。
・債権の譲渡を債務者以外の第三者に対抗するには、確定日付のある証書(債権譲渡登記・内容証明郵便)で証明されなければならない。
という内容です。
それが更に、2005年に第467条と468条(民法第468条:指名債権の譲渡における債務者の抗弁)が改正され(「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律」)、1998年から可能だった債権譲渡登記に加え、将来債権においても債権譲渡登記ができるようになり、第三者対抗要件の手段が増えてファクタリングがより安全に行えるようなりました。
少しややこしくなりましたが、具体的には対抗要件のひとつの債権譲渡登記が商業登記簿謄本に載る方法から、改正後は債権譲渡登記ファイルへの記載に変更されました。つまり売掛先に知られたくないと思うファクタリング利用者にとって念願の2社間ファクタリングができるようになったといえるでしょう。
法律上注意する点として、先ほども書いたように、ファクタリングは貸金ではないので貸金業法の適用外になりますが、悪質な会社はファクタリングと言いながら、内容は貸付と同じく代金弁済を求めたりします。ファクタリングであれば売買なので、弁済はない(ノンリコース)なのできちんと確認しておく事がポイントとなります。他に貸付けでないのに、連帯保証を求めるなど悪質なヤミ金融が装ったファクタリング会社に注意しましょう。ヤミ金融を利用したとなると、条例で定められている地域が多い「反社会的勢力の排除」に抵触する可能性もあるので注意が必要です。