家賃も売掛金の部類に入る?大家さんのためのファクタリング講座

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売掛債権を売却して資金を手に入れられるのがファクタリングです。一般的には、法人が取引先との間で発生している売掛債権を売却するためのものですが、ほかのものが売掛債権として取り扱われる場合もあります。たとえば、不動産を所持している大家さんが家賃収入をファクタリングに出すことも可能です。こちらでは、不動産経営とファクタリングの関係や利用方法、利用に際しての注意点についてお話しします。

不動産経営とファクタリング

不動産経営とファクタリングには意外な関係があります。不動産を所有するオーナーにとって、ファクタリングは便利な資金調達方法です。個人事業主の大家さんでもファクタリングを利用できます。

以下では、不動産経営とファクタリングの関係についてさらに詳しくお伝えします。

家賃収入は売掛金と目される

ファクタリングは売掛債権を売却して資金を得る手続きです。一般的には法人が入金前の売掛債権を売却して資金を工面するために活用されます。不動産のオーナーがファクタリングを利用する場合、何が売掛債権に該当するのでしょうか。

この場合、「家賃収入を得る権利」が売掛債権に該当します。つまり、家賃収入が売掛金という扱いです。この売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、一時的に資金を確保できます。

新たな投資や維持費の支払い時に有効

投資目的で不動産を持っていると、何かと出費が多いものです。以下のような費用が発生します。

・リフォーム費用

・管理費

・空室対策のための投資

・新たなマンション投資

・税金の支払い

家賃収入が入る前に支払いに迫られることも少なくありません。ファクタリングはこうした支払いに必要な資金を確保するために便利です。

契約方式は必然的に2社間ファクタリングとなる

大家さんにとって売掛先となるのは、物件を借りている入居者です。ファクタリングには、利用者・ファクタリング会社で契約を結ぶ2社間ファクタリングと、売掛先を交える3社間ファクタリングがあります。大家さんがファクタリングを行う場合、売掛先である入居者を交えて契約するのは現実的ではありません。よって、家賃収入をファクタリングする場合は、必然的に2社間ファクタリングとなります。2社間ファクタリングは3社間ファクタリングと比較して手数料が高く、20%以上にのぼることもあります。資金確保に利用する場合は注意が必要です。

いざファクタリング利用!必要書類や支払いまでの流れ

不動産オーナーがファクタリングを利用する場合、特殊な書類が求められます。必要書類や利用の流れをご紹介します。

必要書類

通常のファクタリングでは、売掛先へ提出した請求書などが必要書類として求められます。一方、大家さんがファクタリングを利用する場合、そのような書類は存在しません。

不動産オーナーがファクタリングを利用する場合、不動産を所有していることと、家賃収入があることを証明する書類が求められます。具体的には、以下のような書類が必要です。

・土地建物関係の書類

・賃貸借契約書

・家賃収入を証明するもの

家賃収入を証明するためには、銀行通帳のコピーなどを提出するのが一般的です。

不動産経営ファクタリングの流れ

不動産経営ファクタリングは以下のような流れで進みます。大まかな流れは、一般的なファクタリングと違いありません。

1.ファクタリング申し込み

2.審査

3.契約後、手数料を引いた分の額を前払い

4.家賃が振り込まれる

5.振り込まれた額をファクタリング会社に支払う

不動産経営ファクタリングの注意点

大家さんがファクタリングを利用するにあたり、知っておきたい注意点について解説します。

過剰な利用は不動産経営に悪影響

すべてのファクタリングに共通することですが、手数料負担は決して軽くありません。ファクタリングは資金提供までのスピードが速く、審査基準が緩いため利用しやすいのが大きな特徴です。ただ、その反面、利用しすぎると手数料負担から不動産経営にマイナスとなる可能性があります。

投資では、手数料を負担してでも速やかに資金を用意しなければならないケースがあるでしょう。そのような経営戦略上プラスと判断できる場合に限定してファクタリングを利用するのが良いでしょう。

具体的には、優良な不動産を見つけすぐに購入しなければならない場合や、急なリフォームの必要性にあわせてファクタリングを利用するのがおすすめです。

その他の資金調達方法と比較しながら検討を

ファクタリング以外にも不動産オーナーが利用できる資金調達方法はあります。提供スピード、審査ハードルの低さが魅力のファクタリングですが、状況によっては手数料が低い銀行融資などが適しているかもしれません。

ファクタリングだけにこだわらず、その状況に応じてベストな資金調達方法を比較しながら検討しましょう。

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このように、ファクタリングは大家さんにとっても心強い資金調達方法です。賢く利用すれば、不動産経営・投資に大きなメリットがあります。他の資金調達方法との併用で、不動産経営に役立ててください。