【比較】民間系ファクタリングと銀行系ファクタリングの特徴

サムネイル

ファクタリングをサービスとして実施しているのは、民間のファクタリング会社が中心です。一方で、いくつかの大手銀行もファクタリングサービスを提供しています。それぞれ、民間系ファクタリング、銀行系ファクタリングと呼ばれています。同じファクタリングではありますが、それぞれ特徴があるため利用に際しては注意が必要です。こちらでは、民間系ファクタリングと銀行系ファクタリングの違いについてご紹介します。

民間系ファクタリングとは?

民間系ファクタリングとはその名の通り、民間企業が提供しているファクタリングサービスの総称です。

一般的に「ファクタリングサービス」といえば、こちらの民間系ファクタリングを指します。後述する銀行系ファクタリングと比較すると利用ハードルが低いほか入金スピードや審査等の柔軟性に優れており、中小企業に利用されるケースが多いようです。

民間系ファクタリングのメリット

民間系ファクタリング会社の多くは、ファクタリング会社と申込会社のみで契約する2社間ファクタリングに対応しています。売掛先が関与しないため、取引先にファクタリングの利用を知られたくない場合に最適です。

また、民間系ファクタリングでは原則として、申込会社を対象とした審査がありません。ファクタリング会社が重視するのは、取引先の信用性や売掛債権の実態です。

上述した審査の簡便さは入金スピードの速さに直結します。そのため、即日の資金提供に対応しているファクタリング会社も少なくありません。資金調達ではスピードが求められるため、この点は大きなメリットです。

民間系ファクタリングのデメリット

ファクタリングを利用する際は、手数料が設定されます。手数料に大きな影響を与えるのが、ファクタリング会社視点でのリスクです。民間系ファクタリングは利用者にとってハードルが低い反面、ファクタリング会社にとってはリスクがつきまとうため、手数料が高めに設定されています。

また、摘発が積極的に行われている現在も悪徳ファクタリング会社が一部存在しているのが現状です。利用に際しては、大手に限定する、信頼性をしっかりと調査するなど、慎重さが求められます。

銀行系ファクタリングとは?

大手銀行がファクタリングサービスを提供していることがあります。三菱UFJファクター株式会社、みずほファクター株式会社、SMBCファイナンスサービス株式会社など、ファクタリングサービス用に子会社を設けているケースが一般的です。

銀行系ファクタリングのメリット

銀行系ファクタリングは大手が多く、信頼性に優れています。民間系ファクタリングのように悪徳業者の可能性を懸念する必要はないでしょう。

また、銀行系ファクタリングは民間系ファクタリングに対し手数料が低く設定されています。これは利用に際して慎重に審査を実施し、リスクを低減しているためです。また手数料が高い2社間ファクタリングは、銀行系ファクタリングでは提供されていません。

銀行系ファクタリングのデメリット

メリットの項でもお伝えしたとおり、銀行系ファクタリングでは2社間ファクタリングは利用できません。売掛先を交える3社間ファクタリングのみの取り扱いとなるため、必然的にファクタリングの利用を知られてしまいます。

そもそも、銀行側で買い取りする債権を限定しているケースがあります。特に売却しやすいのは、健康保険で支払いが保証されている診療報酬債権です。それ以外の債権は、売却できないことも少なくありません。またリスク低減のため審査が厳しい傾向にあり、民間系ファクタリングに比べると利用のハードルは高いといえます。

手続きが煩雑になる点もデメリットです。通常、審査結果が通達されるまでには、2~3週間かかります。このことから、緊急の資金調達方法としてはあまりおすすめできません。

民間系と銀行系、利用するならどちらのファクタリングがおすすめ?

民間系ファクタリングと銀行系ファクタリングでは、どちらを利用すべきなのでしょうか。

結論、ハードルが低く入金スピードが速い民間系ファクタリングをおすすめといえます。資金が必要になった際、即座に利用できる点は非常に魅力的です。すべての業者が信頼に足るわけではありませんが、大手や有名業者に限定すれば基本的には安心です。

もちろん、銀行系ファクタリングも柔軟に検討しましょう。比較的キャッシュフローに余裕がある場合は、銀行系ファクタリングの入金の遅さは問題になりません。審査が比較的厳しいと言われている銀行系ファクタリングですが、売掛債権の額や利用会社・取引先の信用性によっては確度が上がります。

***

民間系ファクタリングと銀行系ファクタリングの特徴についてご紹介しました。基本的には、民間系ファクタリングのほうが使い勝手に優れるサービスです。一方で、利用の条件をクリアできる場合は、手数料が低い銀行系ファクタリングも魅力的といえます。他の方法も含め、資金調達が必要な場合にはさまざまな選択肢を検討しましょう。